【番外編】チットとダンの寄付物語①11/14タイ3日目

※自身も障害者のチットさん

何やら物騒な警備の車と自転車が複数台、目視で確認できる。

なんと走っているのは大方60歳overのおじいさん!

話をしたのが道路上ということもあってか、とりあえずおじいさんから「ユー ゴー ウィズ ミー」と言われ並走することに。

身障者のマークがあるってことはおじいさんがそうなのか?

聞き出したいことが山ほどあるが、ここは行く方角も同じなので一緒に向かうことに。

お付きの自転車も付いててどういうことなのか?

なんと同じ旗を2本差しの別の自転車乗りも発見!

どうやら彼はおじいさんの相棒だそうで。

何と書いてあるのかは不明だが、何かの寄付をお願いしてる感??

すごく興味が湧いてくる

確かにこの国道をサポート無しだとキツイと思う(主に交通事故的な面で)

それにしても元気なおじいさんである

ところどころ、車から人が降りてきてお金を挟んでいく。やはり何かの寄付活動である

おじいさん「トランスレート OK? ユー ハブ フォン?」どうやら翻訳ができるスマホを持っているかどうか聞いてきた。イエス

どんどんお金が寄付されていく

13:00ごろ 全容がはっきりしないまま、よく分からない広々としたエリアへと入る

そこで待つは大勢の関係者

病院関係者の車も見受けられる

記念撮影をこれでもかと。

自撮りも大好きなタイ人である

集合写真もバッチリ

と、ここでお昼を一緒に摂ることに。まさかの無料である。ここで一息付いたのか、Google翻訳機能を使い、会話をする。次第にわかるのはこの旅の目的やおじいさんのこと。

まず、このPerformerという台湾メーカーのトライクはタイ王室から直々のプレゼント。何そのカッコよすぎる入手経路。そしておじいさんの名前はChit Sukkasame という名前で約4年前に脳の血管の病気で身障者へとなってしまったという。旅の目的は”障害のある人を少しでも(財政面で)救うためにタイ国内を周っている”とのこと。

……正直、凄すぎる旅の目的に唖然。

チットさんと相棒のダンさんの寄付物語は今年の7月から開始したのだが、9/13にはチットさんは後方から突っ込んできた車にはねられ、右の鎖骨を切る重賞も負っている。医者は3ヶ月の療養を求めたが、1週間で退院するという凄まじさ。

チットさんは右手の握力がほぼ使えないため、左ハンドルにブレーキや変速機、クラクションや明るいLED点灯のスイッチがある。事故に遭った時は昼間で、視認性の強いLEDを点滅させていたのにも関わらず、車に追突されるという悲劇。この国では本当に交通事故にだけは気をつけねば。

休憩所を出るとさっきまで居た他の自転車サポーター達は見かけなくなった

ひたすら彼らの後を追いて行く

15:00ごろ ここで動きが止まり、

ダンさんが後方のサポートカーに何やら合図を送る

どうやら右側の建物に入る予感

正解!

右に折れるとまたしても広々とした空間が。

記念撮影を行う

そして彼は市長だとチットさんに教わる。

大勢の人の前でチットさんがガサゴソと何かを行う

ス、ス、スピーカー?!?!

あらまあ、私と同じじゃないの!

スピーカーから癒し系のメロディーが流れる中、障害者と思しき人たちに封筒が手渡される。聞くと、その日の寄付金はその日の内に障害者達へと渡す仕組みになっている。

チット氏曰く「プアピーポー(貧しい人々)」なのだそうだ

さてと、私はこれでオサラバとしますか。

チット氏「ユー トゥモロー ゴー」

どうやら今晩はこの施設に泊まり、明日また一緒に向かえば良いということ。正直、迷った私に「節約できるので私と居なさい」と翻訳された日本語を提示され、素直に甘え、彼らと途中まで旅路を共にすることに。

私はここから約150km先のナコーンパノムまで行くのだが、チットさん達はサコンナコーンを経由してムクダハーンを通るそうで。よく地図を見ればムクダハーンにもラオスへと通る友好橋がかかっており、ここからラオス入りしても良いかもと判断。いや、むしろその方がラオスに長期間居なくて済む。

自転車は全て建物内に保管してここで一晩明かす

これは相棒のダンさんのツーリング車であるDARKROCKという中国メーカーの自転車らしい

レイノルズ520というクロムモリブデン鋼が使われている

先入観として中国製にしてはどうかなとは思ったが見る限り、良さそうなバイクである

相棒のダンさんとチットさんとの繋がりまでは聞いてないので分からないのだが、こうして共に旅をしているということは昔からの仲なのだろうか。ダンさんはとてもクールな人柄で傍目から見ていて佇まいのかっこいい人。年齢はチットさんと同じくらいでは?と思うが、日焼け予防が完璧なので肌が綺麗な印象。

17:30ごろ どこからともなく弁当が届く。いやはや、すごいシステム…。旅をしてるのに食事も寝床も完全支給の経験は無いので良い経験させてもらってます。ありがとうございます。いただきます。

そんなこんなで私はチットさんと同じ部屋でマットを敷く。

ヘルメットとサングラスを取ればお茶目なおじさんって感じ。

どこまで共に走ろうか悩むところだが、本日の3人でのトリプルランも悪くはないなと思った。異国の地でいきなり出逢い、そのまま旅を共にできるという経験もそう頻繁にあるものでは無い。特に目的が他人(障害者)の為であるチットさんとダンさんの旅には頭が下がるばかりである。彼らは今後も旅を続けるのだろうが、私もその旅に少しでも参加できて光栄である。

21:00ごろ チットさんやダンさんはお互いのプライベートな時間を楽しむように電話やメールのやりとりをしている模様。私はあいにくSIMカードのデータ容量の期限が切れて何もできない状態に。そういえば明日から完全に行動パターンが決められたルートを走ることになるのだが、これまで自由に走ってきた私からすると生活リズムやパターンも共にする自転車旅行での共同生活の始まりは大丈夫なのか(ある種のストレス的な面で)と一抹の不安も覚える。

朝食 40バーツ(約137円)

パンケーキ 35バーツ(約119円)

昼食 35バーツ(約119円)

バナナ 70バーツ(約239円)

合計 180バーツ(約615円)

走行距離 72.5km

積算距離 5055.2km

ABOUTこの記事をかいた人

人生百年計画を軸に、自分の人生を謳歌すべく奮闘中。自転車はイジるだけではなく、専ら道具として乗り倒す側である。キャンピング・旅行用としての自転車、生活に根ざした自転車が好み。他人とのレースや競うことは好まず、のんびりと漕いで、どっしりとした重量のある自転車が好き。軽量な自転車が持て囃される中、時代の逆をいく考えだが、荷物のある自転車でトレーニングを兼ねて日本も海外も定期的に周りたい。何処を目指しているのかわからないが、凡人故に動き続けていくしかないと思っている。