【漫遊】オーストラリア旅 2018 パース→ブリスベン

2018.3/23〜6/1 合計71日間

全走行距離   6,068km

1日平均 約85km

使用金額  283,138円

1日平均 約3,987円

  • 走り終えれば…(パース→ナラボー平原→アデレード→メルボルン→キャンベラ→シドニー→ブリスベン)

どこまでも続く地平線。茶褐色の大地。見渡せば、すぐそこに野生のカンガルーが見れるといったイメージを持っていたが、現実は2通りのパターンで私を待っていた。1つは前述した通りの地平線や茶褐色の道が広がりを見せ、如何にもオーストラリアといった雰囲気を全身で楽しめた。2つ目は、多くのアップダウンが連なり、意外と走行に苦労し、秋の期間と冬の始まりも合わさり、気候の寒さに辟易としたことである。ただ、それでも今回の全行程の中で、ほぼほぼ平坦路が7割以上も占めるので、走行自体は楽である。ただし、フラットな道路は時として退屈感を生み出し、景色の移り変わりも単調なため、かったるくなる事は否めない。基本的に、南オーストラリアの州都であるアデレードを境にして、西側はほぼ平たい道で、東側は上り下りの比較的多いエリアといっていいだろう。私が走行した時期が真夏ではなかったため、ハエや蚊に常に悩まされたという経験は少ない。それ故に、虫に対してのトラブルは少なく、人生初めてのキャンプを幾度となく繰り返した旅であったが、特に苦労なくソツなくこなせた。さすが、アウトドアスポーツやキャンピングに関しての理解や関心の高い国である。至る所に、無料のキャンプ場や公園があり、BBQコンロ(電気調理器)が置いてある場所も少なくない。また、人口の少ない西側でさえ、小さなスーパーが大き目の町には存在しているので補給には困らない。飲料水の補給に関しても、私の場合は常にその辺りの蛇口から給水していた。無補給区間と呼ばれる数百kmにも及ぶ何もない道路でも、季節的に喉が乾いてしょうがないといった渇きを覚えた経験は無い。パースを出発して、アデレードに着くまでは、フロントバッグに6L・リアバッグに5.5L・自転車本体に3.5Lで合計15Lもの水を毎日補給しては持ち運んでいたが、1日の内に使い切った事は一度も無い。(注:調理時もこの水を使う)

基本、真夏でない限りは断水で困るとか、水切れで死にそうという場面に出くわすことは無いだろう。個人的に走り終わって感じたのは、オーストラリアらしさを感じるなら西オーストラリア州がオススメである。特にナラボー平原は朝・夕・夜(星空)美しい景色を見ながら時間を過ごせる。その他には何も無いけど。

  • 人・言葉・コミュニケーション

オーストラリア人だろうが日本人だろうが、親切な人は親切だし、そうでない人も多いのも事実。実質、多くの親切を受けてきた私だが、それはいずれも密接にお世話になった方達(宿泊時)からばかりである。通りすがりの人や、町で出会う方達からは、ある一定の距離を保たれていたと思う。そこは東南アジアとの違いというか、アジア圏の人々が、所構わず接してくるのに対して、オーストラリアでは相手の状況をきちんと窺って対処しているように感じた。英語によるコミュニケーションも慣れるとラフで大変ラク。コミュニケーションも必要最低限といった感じでシンプルで良い。ちなみに、西オーストラリアでスピーカーの盗難に遭ったので、完全に西オーストラリアのイメージは”盗難”という漢字2文字に集約されている。

  • 食事・買い出し

お世話になったのが、Woolworths(ウールワース)とIGA(アイ・ジー・エー)と呼ばれるスーパーマーケットである。この他にもColes(コールス)、Foodland(フードランド)、Foodworks(フードワークス)があるが、個人的にベストなスーパーはウールワースである。コールスはスナックやチョコ類が安いことが多いが、生鮮品やベーカリー類のクオリティはウールワースの方が上等に感じる。また、肉類やローストチキンもウールワースの方が美味しい。IGAに関しては、ウールワースもコールスも存在しない町でよくお世話になった。割高であるが、たまに私が買うチョコの割引率が高いこともあるので見逃せない。それに割引された肉類も多く、よくこちらで購入していたな。何れにしても言えるのは、地域や店舗により、値段の統制が取れていないことがよくあること。但し、だからといって複数のスーパーをタライ回しに見て時間を浪費するのは自転車旅においては建設的では無い。基本、お気に入りのスーパーを見つけて贔屓する方がスムーズである。

外食であればハンバーガーばかり食べていた。次点でケバブ、インドカレーである。どれも共通するのは、そこまでシビアにならなくても味は美味しい。しかし、チェーン店(所謂、マックやKFC)では1度ずつしか食事を摂っていない。どうせある程度のお金を使うのなら日本にはない店舗で食事をしたいものである。そのスタンスはどこの世界に出かけても変わらないだろうな。

  • キャンプ飯

携行する食材をなるべく少なく、調理時に使う水の量もなるべく少なく済む食事をよく作っていた。初期でこそ、白ご飯を毎回炊いて食べていたが、時間がかかるのと、野外で炊くのが手間なので、パン食に切り替えて肉食を増やした。パスタも試しに買ってみたが、茹でる時間と水を多く使うことを考えて、途中から出番が無くなっている。腹持ちを考慮するならばお米が一番良いのだが、走行時間を削ってまで米を炊き上げる時間が勿体ない。私みたく急がないサイクリストであれば、米でもパスタでも作って満足のいく食事を取ればいい。とりあえず空腹を紛らわすために、チョコやクッキー類は常に持参。パンも固めの食感の方が食べ応えたがあって好い。何はともあれ袋ラーメンは活躍してくれたな。お湯もそんなに必要ないし、茹で汁含めてスープと一緒に飲み干せば、身体も温まるし。

  • 交通・道路

アデレード周辺を境目にして、西側は車両の交通量が少ないが、路肩も狭い(若しくは無い)。東側は車両の交通量が多く、路肩は広い。路面状況はメインの幹線道路であれば(ハイウェイやモーターウェイなど)綺麗に舗装されてて走りやすい。全体的に道路状況は悪くなく、自転車で走るのに躊躇することは少ない。ただ、初めての自転車旅がオーストラリアだとすれば、ハイウェイのすぐ側を時速100km以上で次々と追い抜く車には、辟易すること間違いなしである。まぁ、そんな時は下道でも通ってゆっくりと走ればいい。基本的にオーストラリアの東部は幾つものルートがあるので、自由に組み合わせて好きに走行ができる。横断距離は6,000km以上だったが、交通事故現場に遭遇したのは片手で済むほどに少ない。ただ、走行するなら十分に視認性の優れたジャケットを羽織ったり、昼間でもライトを点滅させるなどの工夫は必要。現地のサイクリストはほとんど昼間でもライトを点滅させている。

  • ナラボー平原とは?

ナラボー平原は路肩がアスファルトでは無いのに加えて、大型トラックやROAD TRAIN(ロードトレイン)、OVER SIZE(オーバーサイズ)などの大きくて、最大4両に繋がったトレーラーが時速100km以上で追い越して行くのが常。後方確認を怠らずに、強く吹く風や、迫り来るハエを無視しながらの走行が必要だが、必ず自転車のミラーは付けておいた方が安全だと私は強く思う。西オーストラリア州のNorseman(ノースマン)〜南オーストラリア州のCeduna(セデューナ)まで1,200kmもの区間がナラボー平原として呼ばれているが、その間にはEucla(ユークラ)という小さな村があるだけで、他は点々とRoad House(ロードハウス)があるだけである。ロードハウスにて水の補給は(水道管から)容易に出来るが、有料のドリンク類や食べ物は通常、町で買う価格の2〜3倍は高い。よって、ナラボー平原突入前に充二分の食べ物の携行をしていた方が財布に優しいだろう。

  • SIMカード・Wi-Fi事情

オーストラリアにおける通信会社は断然、Telstraをオススメする。国内でもシェア率がトップであることから、町中にはTelstra Airと呼ばれる無料のWi-Fiスポットが多く設置されている。使用には、事前にTelstra社のSIMカードと電話番号が必要。プランはなぜか1ヶ月単位ではなく、28日刻みであった。あとデータ容量の消費のスピードが早くて、何回もチャージしてしまったな。マクドナルドでのWi-FI利用は速度が遅くて自然と遠のくようになった。図書館でのWi-Fi利用に関しては2〜3回のみで、速度もイマイチだったので、常に安定のTelstraばかり使用していた。

  • キャンプ・野宿

お金を払って泊まったのは1回のみ。それも、キャラバンパークで自前のテントを張っての有料宿泊である。その他ベッド上で眠ったのは、WarmShowers(ウォームシャワーズ)と呼ばれる自転車旅行者に対するカウチサーフィン版のようなサービスを利用しての宿泊か、道で出逢った方の親切で泊まったのが全て。旅程の約90%はキャンプであったが、テント泊する場所は全てオーストラリアのキャンプ情報や、その他のお得情報を網羅したWikicamps(ウィキキャンプス)を利用して探していた。自分の好きな野宿場所は、コンクリートや人工物の上であり、あまり草木や土の上は好まなかった。と、いうのも蟻の存在(煩わしい)と、翌朝の地面からの湿気で濡れたテントの処理が面倒くさいからである。加えて、屋根付きの場所があればそこにテントを張るようにもした。これも急な雨を避けたり、公園内のスプリンクラーによる散水攻撃を防ぐためである。尚、シェルター(屋根付き場所)は西側よりも東側でよく確認が取れた。(ただ、東側ではスプリンクラーを見た覚えなし)シャワーも無料で使える施設がオーストラリアには幾つも点在。ただ、冷水シャワーのみの比率が多く、夏の時期であれば快適に浴びれるのになぁと思ったこともしばしば。BBQテーブルも非常に役立つ存在で、電気で調理出来るので安心・安全であった。ただ、使用後のある程度の片付け(鉄板表面の焦げ取りなど)が面倒であるのも間違いない。

  • 天候・雨

時期がオーストラリアにおける秋と冬だったので、暑さとハエによる辛さは少なく、快適に過ごせた。南側の海岸線上を走行の時は寒かったし、メルボルン→キャンベラ→シドニーに向けて進んだが、特にキャンベラ周辺も寒かった記憶がある。雨も寒さと同時に降ってきたし、とにかく寒かったなと。

ABOUTこの記事をかいた人

人生百年計画を軸に、自分の人生を謳歌すべく奮闘中。自転車はイジるだけではなく、専ら道具として乗り倒す側である。キャンピング・旅行用としての自転車、生活に根ざした自転車が好み。他人とのレースや競うことは好まず、のんびりと漕いで、どっしりとした重量のある自転車が好き。軽量な自転車が持て囃される中、時代の逆をいく考えだが、荷物のある自転車でトレーニングを兼ねて日本も海外も定期的に周りたい。何処を目指しているのかわからないが、凡人故に動き続けていくしかないと思っている。